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ケースファンのネジ規格を徹底解説!失敗しない選び方と注意点

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LeanPower Lab | ケースファンのネジ規格を徹底解説!失敗しない選び方と注意点

LeanPower Lab運営者のMasaです。自作PCを組んでいるときに、ケースファンの取り付けでネジが異様に硬かったり、逆にスカスカで固定できなかったりして困ったことはありませんか。実は、一見どれも同じに見えるファンのネジには、インチやミリといった規格の違いや、タッピングネジという特殊な仕組みが隠されています。この記事では、自作PC初心者の方が迷いやすいケースファンのネジ規格について、サイズの見分け方からラジエーターへの取り付け、さらにはホームセンターでの代用方法まで、私が実際に調べた情報を網羅的に解説します。この記事を読めば、もうネジ選びで失敗して大切なパーツを傷つけることはなくなりますよ。

  • PCケースへの取り付けに使う標準的なネジの正体
  • 水冷ラジエーターにおけるインチネジとミリネジの決定的な違い
  • ファンの厚みに合わせた最適なネジの長さの計算方法
  • ネジ穴をなめてしまった時の具体的な修復・解決アイデア
目次

自作PCで重要なケースファンのネジ規格と基本知識

まずは、自作PCの組み立てにおいて最も頻繁に遭遇する、ケースファンのネジの基本的な規格について深掘りしていきましょう。私たちが普段「ファンのネジ」と呼んでいるものには、実は深い技術的背景があるんです。

M5サイズと誤解されやすいテーパーネジの正体

PCケースにファンを固定する際、最も一般的に使われるのが、あの太くて短いネジです。多くの通販サイトやブログでは「M5ネジ」と表記されているのをよく目にしますが、実はこれ、厳密には工業規格のM5(メートルねじ5mm)ではありません。私たちが手にしているのは、外径が約5.5mm(7/32インチ)のテーパーネジなんです。

なぜM5と間違われるのかというと、ファンのフレームに開いている穴がだいたい4.3mmから4.5mm程度であり、そこに5mmクラスのネジをねじ込むというイメージが定着しているからかなと思います。しかし、実際に本物のM5小ねじをホームセンターなどで買ってきても、ファンのプラスチック穴に対しては少し細すぎて、十分な固定力を得られないことがほとんどです。自作PC専用として売られている「テーパーネジ」は、先端に向かってわずかに細くなっており、これが未加工の穴に食い込むことで強力な保持力を発揮します。

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正確な規格を知りたい方は、周辺機器メーカーの公式仕様を確認するのが一番です。(出典:StarTech.com公式製品仕様:PCケースファン用タッピングネジの特性について)。こちらを確認すると、外径が5.5mmであり、一般的なM5ネジとは異なることが明記されています。

このわずか0.5mmの差が、ファンの振動を抑え、長期間の使用でもネジが緩まないための秘訣なんですね。私も初めてこの事実を知った時は、「なるほど、だからあんなにガッチリ固定されるのか」と納得したのを覚えています。ネットでネジを単品購入する際は、単にM5と検索するのではなく「ケースファン用」というキーワードを重視して選ぶのが正解ですよ。

固定に用いられるネジの種類とセルフタッピング

ケースファンを固定するネジの最大の特徴は、ネジ自体が相手の素材を削りながら「雌ネジ(ネジ穴)」を自ら作り出していくセルフタッピング(タッピングネジ)という仕組みにあります。一般的な小ねじは、あらかじめネジ山が切られたナットや穴が必要ですが、ファンのプラスチックフレームにはそんなものはありませんよね。

プラスチックフレーム(主にPBTやABS樹脂)に対して、硬いスチール製のネジを力強く回し入れることで、ネジの山がプラスチックを押し広げ、あるいは削り取って進んでいきます。この過程でプラスチックが「塑性変形」を起こし、ネジにぴったりと密着することで、ファンが回転する際の激しい振動でも緩まない強力な摩擦力が生まれます。初めてファンを取り付ける時に「これ、本当に合ってるの?」と思うくらいネジが硬いのは、このタッピング作業を行っているからなんです。垂直にしっかり体重を乗せて、ゆっくりと回していくのがコツですね。

ただし、このセルフタッピングには「再利用性に乏しい」という致命的な弱点があります。一度抜いたネジをもう一度締め直すと、前回作ったネジ山をさらに削ってしまうため、何度も着脱を繰り返すとプラスチックがボロボロになり、ネジが空回りする「なめる」状態になってしまいます。ファンの位置調整は、できるだけ一発で決めるのが理想的かなと思います。

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また、最近ではゴム製のブッシュを使ってネジを使わずに固定する方法もありますが、やはり確実な固定力という点では、このタッピングネジに勝るものはありません。自作PCの剛性を高めるためにも、このネジの特性を理解して正しく使いこなしたいところです。

インチネジとミリネジを混同してはいけない理由

自作PCにおける最大の罠、それが「インチネジ」と「ミリネジ」の混在です。特にケースファンの周辺では、ケースに直接固定するのか、それとも水冷ラジエーターに固定するのかによって、使うネジの規格がガラリと変わります。アメリカ発祥の規格であるインチネジ(#6-32 UNC)と、国際基準であるミリネジ(M3など)は、直径が非常に近いため、目視だけで判断するのは至難の業です。

インチネジの#6-32は外径が約3.51mm、対するミリネジのM3は3.0mm。その差はわずか0.5mm程度ですが、ネジ山のピッチ(間隔)が全く異なります。インチネジは山が荒く、ミリネジは非常に細かいのが特徴です。もし、ミリネジ用の穴にインチネジを無理やりねじ込むと、受け側の柔らかい金属(アルミなど)のネジ山は一瞬で潰れてしまい、二度とネジが締まらなくなります。これをやってしまうと、高価なラジエーターやケースが台無しになってしまうので、本当に注意が必要です。

見分けるコツとしては、ネジを指でつまんで軽く回してみることです。規格が合っていれば、最初の数回転はスルスルと抵抗なく入ります。最初から「ジャリッ」とした感触があったり、すぐに硬くなったりする場合は、十中八九規格が間違っています。そこで力任せにドライバーを回すのだけは絶対にやめましょう!

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私はいつも、新しいパーツを買った時は、まず余っているネジで「仮合わせ」をするようにしています。自作PCは規格の集合体。こうした小さな整合性を一つずつ確認していく作業が、結局は一番の近道になるんですよね。

ラジエーターで使用されるM3やM4ネジの規格

水冷システム、特に本格水冷や高品質な簡易水冷(AIO)のラジエーターでは、ファンを固定するために「M3」や「M4」といったミリ規格のネジが多用されます。ラジエーターには金属製のネジ穴が最初から切られているため、ケースに直接取り付ける時のようなタッピングネジではなく、精密な「小ねじ」を使用するのが一般的です。

M3は直径3.0mmで、非常に細身で繊細なネジです。ヨーロッパのブランドであるAlphacoolなどは伝統的にM3を採用しています。一方、M4は直径4.0mmで、M3よりも一回り太く、がっしりとした印象を与えます。Hardware Labsなどの大手OEMメーカーが製造するラジエーターではM4が採用されることが多く、強力な固定が可能です。ミリ規格のネジはピッチが細かいため、ネジを締める際の感触が非常に滑らかですが、その分、斜めにねじ込んでしまうとネジ山を傷めやすいというデリケートな側面もあります。

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規格 外径 主な特徴
M3 3.0mm 精密で種類が豊富。欧州製に多い。
M4 4.0mm 強固な固定が可能。本格水冷の主流。
#6-32 約3.5mm インチネジ。簡易水冷で最も普及。

水冷ラジエーターにファンを増設したり、ネジを紛失したりした場合は、まず自分の持っているラジエーターがどの規格なのかを特定することが第一歩です。基本的には付属のネジを使うのがベストですが、もし買い足す場合は、この表を参考にしてみてくださいね。

主要メーカー別の簡易水冷ラジエーターネジ径一覧

さて、ここが最も実用的なセクションかもしれません。「結局、自分の持っているあのメーカーのクーラーは何規格なの?」という疑問を解決するために、私が調べた範囲での主要ブランド別の採用規格をまとめました。簡易水冷(AIO)市場はアメリカのブランドが強いため、圧倒的にインチネジが主流となっています。

メーカー名 採用ネジ規格 補足・注意点
Corsair (AIO) #6-32 UNC (インチ) ほぼ全ての簡易水冷モデル。本格水冷はM4。
NZXT #6-32 UNC (インチ) Krakenシリーズで一貫して採用。
Cooler Master #6-32 UNC (インチ) 一部モデルでM3の報告もあるが基本はインチ。
DeepCool #6-32 UNC (インチ) 最新のLS/LTシリーズはインチネジを採用。
Alphacool M3 (ミリ) ヨーロッパ規格のためインチは使用不可。
EKWB M4 (ミリ) 最新のSurfaceシリーズなどで採用。

ここで面白いのは、同じブランドでも「簡易水冷(AIO)」と「本格水冷パーツ」で規格が分かれているケースがあることです。例えばCorsairの場合、簡易水冷のH150iなどはインチネジですが、本格水冷用のHydro XシリーズのラジエーターはM4規格だったりします。これは製造委託先の工場(OEM)がどこかによって決まるためです。自作PCパーツは、ブランド名だけでなく「どのシリーズか」まで含めてチェックするのが、規格選びに失敗しないコツかなと思います。

もし手元にネジがなく、規格が全く分からない場合は、Amazonなどの商品レビューを「ネジ 規格」で検索してみるのも一つの手です。先人たちの失敗談や成功談が、意外と確実なソースになったりしますよ。

ケースファンのネジ規格に合う長さの選び方と対策

ネジの太さ(規格)が分かったら、次に重要になるのが「長さ」です。特にラジエーターにファンを固定する場合、長さを間違えるとPCパーツを物理的に破壊してしまう可能性があるため、ここは慎重にいきましょう。

25mm厚ファンに最適なネジの長さと計算ロジック

自作PC用のファンで最も一般的な厚みは25mmです。このファンをラジエーターやケースに取り付ける際、一体何ミリの長さのネジを選べばいいのでしょうか。私がパーツを選ぶ際に意識している「黄金の計算式」をご紹介します。

{理想的なネジの長さ} = {ファンの厚さ} + {PCケースやブラケットの厚み} + {ねじ込み代(3〜5mm程度)}

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具体例で考えてみましょう。25mm厚のファンをラジエーターに取り付ける場合、ラジエーターの枠(フランジ)の厚みが約1.5mmだとすると、25 + 1.5 + 3.5 = 30mmとなります。この「30mm」という長さが、25mmファンにおける標準的な規格です。ネジが短すぎるとラジエーターまで届きませんし、逆に長すぎるとラジエーター内部を突き破ってしまいます。

市販されているネジセットは、だいたいこの「30mm」を中心にラインナップされています。もし、防振ゴムパッドなどを間に挟む場合は、その厚み分(1〜2mm)をさらに足して32mmや35mmのネジを選ぶ必要があるかもしれません。こうした「たかが数ミリ」の計算を丁寧に行うことが、最終的な冷却性能や静音性につながってくるんだなと、私は常々感じています。

ラジエーターのパンクを防ぐ適切な長さの選定

水冷ユーザーにとっての最大の悪夢、それが「ラジエーターのパンク」です。ラジエーターのネジ穴のすぐ裏側(わずか2〜3mm下)には、冷却水が流れる「フラットチューブ」という非常にデリケートな水路が通っています。ここに長すぎるネジを力いっぱい締め込むと、ネジの先端が水路を突き破り、そこから冷却水が漏れ出してしまいます。

一度水路に穴が空いてしまうと、そこから漏れた冷却水がマザーボードやグラフィックボードを直撃し、PCが全損するリスクがあります。ネジを締めていて、「急にネジが硬くなったな」とか「グニュッとした嫌な感触がある」と感じたら、絶対にそれ以上回さないでください。それはネジの先端がラジエーターのコアに当たっているサインかもしれません。

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最近の高級なラジエーターには、長すぎるネジが入らないようにストッパー(遮蔽板)がついているものもありますが、多くの製品では今でもむき出しです。ファンを交換する際は、必ず元のネジと長さを比較するか、慎重に一本ずつ手回しで感触を確かめながら取り付けるようにしましょう。冷却性能を上げるためのファン交換が、PCの命取りになっては元も子もありませんからね。

ホームセンターで買える代用ネジの探し方と注意点

「ネジを1本だけ失くしてしまった、でもPCショップに行くのは面倒……」そんな時は、近所のホームセンターが強い味方になります。ミリネジであるM3やM4なら、日本のホームセンターならどこでも置いています。「なべ小ねじ」という名称で、長さ30mmなどのバラ売りを探してみましょう。

ただし、厄介なのがインチネジ(#6-32 UNC)です。日本はメートル法が主流なので、一般的なホームセンターにはインチネジが置いていないことが非常に多いです。もし探すなら「ユニファイねじ(UNC)」という表記があるコーナーを探してみてください。太さが約3.5mmで、ネジ山が少し荒いものがそれにあたります。なければ、おとなしくPCパーツ専門店の通販を利用するのが確実です。

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代用ネジを使う時の注意点として、ネジの「頭(ヘッド)」の大きさをチェックしてください。ホームセンターの汎用ネジは頭が小さいことがあり、ファンの取り付け穴を通り抜けてしまうことがあります。その場合は、必ず「ワッシャー(平座金)」を1枚挟んで、面でしっかり押さえるように工夫しましょう。これだけで安定感が劇的に変わりますよ。

ネジ穴がなめた時の修復技術とボルトナット固定

「ネジを締めすぎてプラスチックの穴がバカになってしまった!」という経験、私もあります。一度なめてしまった穴に同じネジを入れても、空回りして全く固定されません。そんな時に役立つ、とっておきの修復アイデアをいくつか紹介します。

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1. ボルトとナットによる「貫通固定」

プラスチックのネジ穴を頼りにするのを諦め、M3などの細長いボルト(長さ35mm〜40mm)を用意します。ファンの穴を完全に貫通させ、ケースやラジエーターの裏側から「ナット」で締め付けてしまう方法です。見た目は少し武骨になりますが、保持力は最強で、二度となめる心配もありません。

2. プラスチック補修材の活用

「プラリペア」などのプラスチック補修材を使って、一度穴を埋めてから再度小さな下穴を開け、タッピングネジをねじ込み直す方法です。手間はかかりますが、見た目を損なわずに元のネジを使いたい場合には有効な手段です。

3. 結束バンド(タイラップ)の緊急避難

見た目を気にしないのであれば、結束バンドでケースの穴とファンの穴を縛ってしまうのが一番手っ取り早いです。意外としっかり固定されますし、振動吸収の効果も期待できたりします。ただし、ラジエーター固定には向かないので注意してください。

これらの作業を行う際は、必ずPCの電源を切り、周辺のパーツを傷つけないように十分注意して行ってくださいね。正確な情報は各製品の公式サイトを確認することをおすすめします。

スリムファン設置時のネジ選びとワッシャーの活用

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最近は小型PCケースの流行により、厚さ15mmや12mmといった「スリムファン」を導入する方が増えています。しかし、スリムファンには落とし穴があります。それは、付属のネジが「25mm厚ファン用」であることが多く、そのままでは使えないという点です。

25mmファン用の30mmネジをスリムファンに使うと、ネジの先端が10mm以上も余ってしまいます。これをラジエーターにねじ込めば、先述した「パンク」の可能性が非常に高くなります。スリムファンを使うなら、別途長さ18mm〜20mm程度のネジを必ず用意しましょう。また、スリムファンはフレームが薄いため、ネジの締め付け圧でフレームが歪み、羽根がケースに接触して異音を出すことがあります。これを防ぐために、ネジの頭にワッシャーを挟んで、圧力を均等に逃がしてあげるのがコツです。

最近は「防振ラバー」がついているネジも売られています。スリムファンは回転数が高くなりがちで振動も出やすいので、こうした周辺アクセサリをうまく組み合わせることで、静かで冷える理想のPCに一歩近づけますよ。

ケースファンのネジ規格を正しく選ぶためのまとめ

ここまで、ケースファンのネジに関する規格、太さ、長さ、そして万が一のトラブルへの対処法まで詳しく見てきました。たかがネジ一本ですが、自作PCという精密機械においては、その一本がシステム全体の安定性や寿命を左右することもあるんだなと、改めて実感していただけたかなと思います。

  • PCケースへの直接固定は、M5ではなく外径5.5mmのタッピングネジを使う。
  • ラジエーター固定には、ブランドに応じてインチ(#6-32)かミリ(M3/M4)を使い分ける。
  • ネジの長さは「ファン厚 + 4〜5mm」を基準にし、ラジエーターパンクを全力で防ぐ。
  • 規格が分からない時は無理に締めず、手回しの感触で判断し、必要ならワッシャー等で代用する。

ケースファンのネジ規格を正しく理解し、適切な部品を選ぶことは、大切なPCパーツを守るだけでなく、組み立て作業のストレスを減らすことにも繋がります。この記事の内容を参考に、ぜひ皆さんの自作PCをより完璧な状態に仕上げてみてください。もちろん、最新のパーツでは独自の規格を採用していることもあるので、最終的な判断は公式サイトや付属のマニュアルを必ず確認するようにしてくださいね。それでは、楽しい自作PCライフを!

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