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DDR5の16GBを1枚で使う性能と高騰時の対策まとめ

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LeanPower Lab | DDR5の16GBを1枚で使う性能と高騰時の対策まとめ

こんにちは。LeanPower Lab運営者のMasaです。

最近の自作PC界隈、パーツの価格が全体的に上がっていて本当に頭が痛いですよね。特にメモリに関しては、以前の安値を知っている身からすると、現在は5倍近い価格高騰という異常事態に見舞われていて、予算を抑えたい人にとっては非常に高い壁になっています。

さらに追い打ちをかけるようなニュースもありました。2025年12月3日、あの定番中の定番だったCrucial(マイクロン)が、消費者向けメモリ事業からの撤退を電撃発表しました。自作PCを愛する一人として、この「クルーシャル・ショック」は本当に寂しいですし、今後のメモリ選びに大きな影響が出そうだなと感じています。

この歴史的なブランドの撤退と世界的な在庫不足により、DDR5メモリの入手性はさらに厳しくなり、価格も高止まりが続いています。そんな中で、今の厳しい相場をどう乗り切るかと考えたとき、多くの人が悩むのがDDR5の16GBを1枚だけで構成しても本当に大丈夫なのかという点かなと思います。ネットの情報をあさると2枚組が絶対正義という声が圧倒的に多いですが、実際のところ1枚構成と人気の2枚構成でどれくらい性能が変わるのか、そして今の価格や将来の増設のしやすさを天秤にかけたときに、どちらが自分にとって賢い選択なのかは一番知りたいところですよね。

この記事では、現在のメモリ高騰や主要ブランドの撤退という現状を踏まえつつ、DDR5の16GBを1枚で運用する際のメリットやデメリット、そして後悔しないためのアップグレード戦略を、私なりの視点で詳しくまとめてみました。今の相場だからこそ選ぶべき構成のヒントになれば嬉しいです。

DDR5の16GBを1枚と16GBを2枚での具体的な性能差がわかります

価格高騰時に16GBを1枚で構成することがなぜ戦略的なのかを理解できます

DDR5特有の技術によって1枚でも性能が落ちにくい理由がわかります

将来後悔しないためのメモリ選びと増設のポイントを整理できます

目次

DDR5の16GBを1枚で使う性能と高騰時の対策

まずは、最も気になる性能面と今の過酷な価格状況についてじっくり見ていきましょう。現在のPCパーツ市場では、メモリ1枚の選択がシステム全体の予算配分に大きく影響します。特にCrucialの撤退により、今後はKingstonやSamsung、SK Hynixといったメーカーの動向が鍵となります。ここでは16GBの1枚運用が、王道の32GB(16GB×2枚)構成と比べて、実用レベルでどう立ち回れるのかを深掘りしていきます。

DDR5の16GBを1枚と人気の16GBを2枚で比較

現代の自作PCにおいて、最も標準的で人気のある構成といえば、やはり16GBのメモリを2枚使用した「合計32GB」の環境ですね。数年前までは8GBを2枚使った16GB環境が主流でしたが、Windows 11のOS自体のメモリ消費量が増え、さらに最新ゲームやクリエイティブソフトの要求スペックが底上げされたことで、今や32GBが事実上の「標準」になっています。対して16GBを1枚のみにする構成は、主に初期コストを極限まで抑えるための手段として検討されます。

この二つの構成における決定的な違いは、物理的な「データ転送の通り道」の広さ、つまりメモリ帯域幅にあります。16GBを2枚使う構成はデュアルチャネルと呼ばれ、128bitの幅でデータをやり取りできますが、1枚構成のシングルチャネルではその半分の64bitになります。一見すると性能が半分になるように思えますが、実はDDR5には1枚のモジュール内に32bit×2という独立したサブチャネル構造が備わっています。これまでのDDR4時代に比べると、1枚運用時のデータ処理効率は格段に向上しており、帯域幅が半分であってもCPUが必要とする最小限のデータ供給は維持されやすくなっています。

とはいえ、データの「総量」を一度に送る力については、やはり物理的に2枚あるデュアルチャネル構成の方が圧倒的に有利です。日常的な事務作業やウェブ閲覧であれば体感差はほとんどありませんが、大量のデータを常にやり取りする最新ゲームや重いアプリを動かす際には、この帯域の差がフレームレートの安定性などに影響してきます。Crucialの撤退により定番の選択肢が一つ減った今、今後はJEDEC標準に準拠した他社製メモリでこの1枚構成の安定性を確保する必要があります。今の16GBを1枚という選択は、性能を極限まで引き出すことよりも、今の価格高騰期に予算内でシステムを完成させることに重きを置いた、非常に現実的な戦略と言えますね。

現在のWindows 11環境では、起動直後でも数GBのメモリが消費されます。16GBという容量は「とりあえず快適に動く」ための最低ラインです。1枚で運用する場合は帯域不足以上に、複数のアプリを同時に開いた際の「容量の余裕」を意識する必要があります。ブラウザのタブを50個以上開くような方は、こまめに整理することが大切ですね。

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ベンチマークで見る1枚と2枚の明確な性能差

実際のベンチマーク結果を比較してみると、16GBを1枚使う構成と2枚使う構成では、用途によって結果が大きく二極化するのが面白いところです。例えば、PCの総合的な性能を測るPCMark 10のようなテストでは、ビデオ会議やウェブブラウジング、文書作成といった日常的なタスクにおいて、両者の差は数パーセント程度の誤差範囲に収まることが多いですね。私たちが普段ブログを書いたり、SNSを見たり、YouTubeをフルHDで視聴したりしている分には、1枚構成でも全くストレスを感じないレベルです。このあたりが「DDR5は1枚でもそこそこ動く」と言われる最大の理由かなと思います。

しかし、CPUに高い負荷がかかる処理、特にメモリ帯域が重要になる場面では話が変わってきます。例えば、7-Zipなどを使用した巨大なファイルの圧縮・解凍、あるいは大量の数値を同時に計算する物理シミュレーションソフトなどでは、メモリ帯域が直接のボトルネックになります。こうしたシーンでは、2枚構成の方が30%から、場合によっては50%近くも処理時間が短縮されるというデータもあります。また、動画のエンコード処理(書き出し)においても、メモリ帯域が広い方がCPUの持つ本来のパワーを引き出しやすいため、1枚運用は動かないわけではないけれど、重い処理をさせると本来のポテンシャルを出し切れないという状態になりがちです。

ゲーミング性能については特に顕著で、平均フレームレート(Avg FPS)以上に、最低フレームレート(1% Low FPS)に差が出やすい傾向があります。これは、データの読み込みが集中する激しいシーン(爆発エフェクトやエリア移動など)で、1枚構成だとデータの供給が追いつかなくなるためです。最近はメモリ16Gbチップの契約価格が数ヶ月で300%以上も跳ね上がるという極端な例もあり(出典:Micron『2026年度第1四半期決算報告』)、性能差よりもコストメリットを優先せざるを得ないのが今の実情ですね。数値データはあくまで目安ですが、今の相場では「1枚で運用して、浮いた数万円を他のパーツに回す」という判断が現実味を帯びてきます。

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メモリ価格が5倍高騰した今選ぶべき構成

さて、今の自作PCユーザーを最も苦しめているのが、このメモリの異常な価格高騰ですよね。かつては16GBの2枚組が1万円を切るような、今から思えば夢のような価格で買えた時期もありましたが、現在はAI需要の爆発や供給不足により、以前の5倍近い価格で販売されているショップも珍しくありません。この状況で、無理をして最初から32GB(16GB×2枚)を揃えようとすると、他の重要なパーツ、例えばグラフィックボードやCPUのランクを下げざるを得なくなります。自作PCの楽しさはバランスの良い構成を組むことですが、今の価格環境ではそのバランス調整が非常に難しくなっています。

私は、今のこの特殊な相場環境であれば、あえて「まずは16GBを1枚」で構成し、浮いた予算を後から交換するのが非常に困難なパーツ、つまりマザーボードや電源ユニット、あるいはシステムドライブとなるSSDなどの「PCの骨格」に回すのが非常に戦略的で賢い選択かなと思っています。メモリは後から空いているスロットに同じものを1枚挿すだけで、驚くほど簡単にアップグレードが可能です。一方で、CPUやマザーボードを後から交換するのは、実質的にPCを一台組み直すほどの労力が必要です。LeanPower Lab的な視点でも、最初から過剰なスペックを積むより、必要最小限の構成でスタートして、足りなくなったら足していくというスタイルは、資源の無駄遣いを防ぐという意味でも合理的です。

また、エネルギー効率の面から見ても、メモリを1枚に抑えることでわずかながら消費電力を削減できます。微々たる差ではありますが、アイドル時の電力を極限まで抑えたい人にとっては、まずは1枚で運用し、自分の作業負荷に対して本当に2枚目が必要かどうかを見極める期間を設けるのは悪いことではありません。今の地獄のような相場がいつ落ち着くかは不透明ですが、価格が落ち着いた頃に「もう1枚足して32GBにする」という楽しみを後に取っておくのも、自作PCの粋な楽しみ方かもしれませんね。無理をせず、今の自分にとって最適な構成を見つけることが大切です。

メモリ高騰時は、今の性能を100点にすることにこだわらず「将来の32GB化」を前提とした1枚運用で耐えるのが賢い節約術です。中途半端な安さにつられて、構造的に性能が低い8GB×2枚のセットを買ってしまうと、将来増設する際に元のメモリが無駄になってしまう二重投資のリスクがあるため、将来を見越して16GBを1枚選ぶのが正解です。

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サブチャネル構造がシングルチャネルを補う理由

DDR5メモリが、従来のDDR4のシングルチャネル運用よりも明らかに「使える」と言われる最大の理由は、その内部設計の進化にあります。DDR4までのメモリは、1枚のモジュールに対して1つの大きな64bitのデータパスを持っていました。これが1枚運用の際に大きなデータの渋滞を引き起こす原因でした。対してDDR5は、1枚のモジュールの中に独立した32bit×2のサブチャネル構造を採用しています。これにより、1枚の物理的なメモリでありながら、論理的には2つの独立したチャネルとして振る舞うことができるようになりました。

これの何がすごいかというと、1枚のメモリの中でも同時に2つの異なる指示を処理できるようになったんです。例えるなら、一本の太い一車線道路だったものが、中央分離帯のある二車線道路になったようなイメージですね。対向車(異なる命令)を気にせず、よりスムーズにデータを流せるようになっています。さらに、DDR5では一度のアクセスで転送できるデータの塊(バースト長)も、DDR4の「8」から「16」へと2倍に拡張されています。CPUが一度に要求するデータサイズ(64バイト)に対して、DDR5の1つのサブチャネルが1回のアクセスで送れるサイズがぴったり一致するため、無駄な空転がなくなったのも大きなポイントです。

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技術革新が救う1枚運用

Crucialはこの分野のリーダーとして多くの技術情報を発信していましたが、ブランド撤退後もこのJEDECの基本仕様は他社製品でも共通です。これにより、メモリ1枚あたりのデータ処理効率が劇的に高まり、シングルチャネル特有の「データ待ち」による遅延が大幅に削減されています。もちろん、物理的に2枚挿して32bit×4の状態にする方が帯域は広がりますが、1枚の状態でもCPUに対して効率よくデータを供給できる仕組みが整っているのがDDR5の強みです。シングルチャネルは遅すぎて使い物にならないというかつての常識は、このサブチャネル構造とバースト長の拡張によって、過去のものになりつつあると考えていいでしょう。ただし、これはあくまで「効率」の話であり、絶対的な「最大速度」を求めるなら、やはり物理的な2枚構成が最強であることは忘れないでくださいね。

ゲームのフレームレートやカクつきへの影響

ゲーミングPCを作ろうとしている人にとって、メモリ1枚運用が実際のプレイにどれほど影響するかは死活問題ですよね。特に最近の重量級タイトルでは、メモリの性能がゲーム体験に直結します。結論から言うと、グラフィックボード(GPU)に負荷が集中する4KやWQHDといった高解像度、あるいは最高画質設定で遊ぶ場合、メモリの帯域不足による影響は比較的軽微です。なぜなら、ボトルネックがメモリよりも先にGPUの描画性能に来るからです。GPUに依存する状況では、1枚運用でも2枚構成とほとんど変わらない体験が得られることが多いかなと思います。

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問題は、フルHD解像度で高いフレームレートを出そうとする場合や、CPU依存度の高いゲームを遊ぶ場合です。競技性の高いFPSや、多数のキャラクターが同時に動くMMORPGでは、CPUが常に大量の指示をメモリに送ります。ここで帯域が半分しかない1枚構成だと、データの渋滞が起きてフレームレートが伸び悩みます。特に深刻なのが最低フレームレート(1% Low FPS)への影響で、平均的には144fps出ていても、激しい戦闘シーンで一瞬だけ30fpsまで落ち込むような「カクつき(スタッター)」が発生しやすくなります。この一瞬のラグが、対戦ゲームでの勝敗を分けることもあるわけです。

没入感への影響と設定の工夫

カクつきの正体は、この最低フレームレートの低下です。16GBを1枚で運用していると、この一瞬のカクつきのリスクが2枚構成に比べて高くなります。競技レベルでプレイする人や、オープンワールドを滑らかに歩き回りたいという没入感重視派の方は、この点をしっかり理解しておく必要があります。もし予算の都合で1枚で組むなら、まずはゲーム内の画質設定を少し調整してCPUやメモリへの負荷を逃がしてあげるなどの工夫をすると、快適に遊べるようになるかなと思います。将来的に2枚目を足したときに、どれだけカクつきが消えるかを実感するのも、自作PCの醍醐味の一つかもしれません。

16GBを1枚で運用する際の具体的なデメリット

性能面以外でのデメリットについても、目を背けずに確認しておきましょう。1枚運用の最大の弱点は、実は速度(帯域)よりも「容量の限界」に近いところにあります。現代のゲーム環境では、ゲーム本体だけで10GB以上のメモリを平気で消費するタイトルが増えています。これに加えて、Windowsの基本動作で4〜5GBが使われ、さらに裏でDiscordでの通話やウェブブラウザでの情報収集、配信ソフトなどを動かしていると、16GBという枠はあっという間に埋まってしまいます。メモリがカツカツの状態でPCを動かすのは、狭いデスクで無理やり大きな地図を広げているようなものです。

メモリ容量がいっぱいになると、PCはスワップという動作を始めます。これは、足りなくなったメモリの代わりに、低速なストレージ(SSD)を一時的な作業場として使う仕組みですが、これが発動するとPC全体の挙動が目に見えて重くなります。マウスの動きが遅れたり、ウィンドウが白くなって応答しなくなったりするのは、多くの場合このメモリ不足が原因です。また、ブラウザで大量のタブを開きっぱなしにする癖がある人は、メモリ1枚(16GB)では頻繁にタブの再読み込みが発生し、入力していた内容が消えてしまうなど、地味ながら大きなストレスを感じることになるかもしれません。さらに、1枚運用ということは、万が一そのメモリが故障した際に「予備がない」というリスクも孕んでいます。2枚構成であれば、1枚が壊れても一時的に1枚で運用を続けることができますが、1枚構成では完全にPCが起動しなくなります。Crucialのような信頼できる大手ブランドが撤退した今、代替品の確保も含めて、リスク管理の観点からは少し不利になるという事実は知っておいて損はないかなと思います。

16GBを1枚で運用する際は、バックグラウンドで動いている不要なアプリを徹底的に終了させるなどの「メモリ管理」が必要です。特に自動起動するスタートアップアプリが多いと、ゲームに回せるメモリがさらに削られてしまうため、タスクマネージャーをこまめにチェックすることをおすすめします。PCの健康状態を保つためには、物理的な余裕が一番の特効薬です。

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DDR5の16GBを1枚から始める賢いアップグレード

Crucialが市場から去ってしまう今、私たちはより戦略的に「次の一手」を考える必要があります。将来の自分に感謝されるような、失敗しないパーツ選びのコツをここから詳しくお話ししますね。今の高騰期を乗り切るための賢い立ち回り方を一緒に考えていきましょう。

クリエイティブ用途で重要なメモリ容量の考え方

動画編集や写真のRAW現像、3Dモデリングなどのクリエイティブな作業を視野に入れているなら、私は何よりも速度(帯域)よりも容量を最優先すべきだと考えています。もちろんメモリが2枚あって速いのに越したことはありませんが、編集ソフトが求めている容量が足りなければ、どんなに高速なメモリでも動作はガタガタになります。特に4K動画の編集や、高解像度のテクスチャを扱う3D制作では、メモリ容量がそのまま「作業の快適さ」に直結します。メモリ不足でのフリーズほど、クリエイターのやる気を削ぐものはありませんよね。

例えば、Adobe Premiere Proでプレビューを再生する際、16GBではすぐにメモリが満杯になり、タイムラインの操作がカクつくことがよくあります。これを解決するには、速度を求めて無理に8GBを2枚買うよりも、まずは16GBを1枚導入し、早い段階でもう1枚買い足して「32GB」を目指すのが最も効率的です。クリエイターにとって16GB 1枚という状態は、あくまで編集を始めるための仮の姿と割り切りましょう。予算が限られているなら、今は1枚で耐えて、作業の報酬や貯金で2枚目、3枚目と増やしていくのが、今の高騰期における賢いクリエイターの立ち回りかなと思います。

また、重い作業をする際はPCのパーツ全体に負荷がかかるため、エネルギー効率や発熱も気になるところですよね。以前書いたM.2 SSDの熱対策!ヒートシンクやノートPCの冷却法を解説の記事でも触れましたが、システム全体の負荷バランスを考えることが、長く安定してクリエイティブ作業を続ける秘訣です。メモリを増やすことで、SSDへの書き込み(スワップ)が減り、結果的にPC全体の寿命を延ばすことにもつながります。容量に余裕を持つことは、精神的な余裕にもつながりますよ。自分の作品作りに没頭できる環境を、一歩ずつ整えていきましょう。

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将来的に16GBを2枚へ増設するための準備

あとでもう1枚買い足せばいいやと気楽に考えていると、意外なところで落とし穴にはまることがあります。メモリの増設で最も怖いのが「相性問題」です。全く同じメーカーの同じ型番のメモリを買ったつもりでも、製造時期によって中のチップが変更されていて、2枚挿したときに正しく動作しないというケースが稀にあります。これを防ぐためには、最初に買う1枚の選び方が非常に重要です。特にCrucialという定番がなくなった今、選択はより慎重になる必要があります。

おすすめは、KingstonやSamsung、SK Hynixといった信頼性の高いメーカーの定格メモリ(JEDEC準拠)を選んでおくことです。これらは派手なヒートシンクこそ付いていませんが、互換性が非常に高く、後から同じ仕様の製品を見つけやすいという大きなメリットがあります。逆に、独自のオーバークロック設定が施された「XMP/EXPO対応メモリ」は、後から1枚だけ買い足して組み合わせると不安定になるリスクが定格メモリより少しだけ高まります。増設前提なら、安定性重視のスタンダードなモデルを選んでおくのが無難ですね。

また、見た目にこだわりたい方はマザーボードの色との組み合わせも考えたいところです。特に最近人気の白いパーツで組むなら、こちらのAM5マザーボードの白おすすめ5選!2025年最新モデル比較をチェックしてみてください。白ベースの基板にシルバーや白のメモリを後から買い足して2枚並べた時の満足感は、自作PCならではの楽しみですからね。増設のタイミングで、ライティング対応のヒートシンクを別途取り付けるといった楽しみ方もあります。計画的にパーツを揃えていくのは、まるでプラモデルを少しずつ完成させていくようなワクワク感がありますよ。

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マザーボードのスロット制限に注意

最新のAM5マザーボードなどでは、メモリの枚数が増えると動作クロックが自動的に制限される仕様のものもあります。将来的に4枚挿しにするよりも、まずは1枚で購入し、最終的に「16GBを2枚」で完結させる方が、速度と安定性のバランスが最も良くなります。将来の拡張性を見越した「空きスロット」の管理は、自作PCの腕の見せ所ですね。マニュアルを事前に確認して、どのスロットから埋めるべきかも把握しておくと、増設時に迷わなくて済みますよ。

8GBの2枚組より16GBの1枚が優れている理由

予算が限られているとき、多くの人が陥りやすい罠が「8GBを2枚買って、合計16GBのデュアルチャネルにする方がコスパが良いのでは?」という考えです。確かに、買った瞬間は16GB 1枚よりわずかに速いかもしれませんが、DDR5世代においては私はこの選択を全くおすすめしません。理由は大きく分けて二つあります。一つは性能面の「罠」、もう一つは将来の「無駄」です。ここを間違えると、後で絶対に後悔することになります。

一つ目の理由は、8GBのDDR5メモリは構造的にバンクグループという内部の並列処理ユニットが削られた設計になっていることが多いからです。16GB以上のメモリチップは通常8つのバンクグループを持ちますが、8GBを構成するために使われるチップでは、これが半分の4つに制限されているケースが多々あります。その結果、せっかく2枚組にしても、期待したほど速度が出ないばかりか、16GB 1枚運用に実効速度で負けてしまう場面すらあります。二つ目の理由は、増設のしにくさです。DDR5は4枚挿しをすると動作が極端に不安定になったり、速度が強制的に下げられたりするという扱いにくい特性を持っています。8GBを2枚でスロットを埋めてしまうと、将来32GBにしたくなった時に、その8GB×2枚を捨てて買い直すか、動作が不安定な4枚挿しに挑むかの二択を迫られます。16GBを1枚選んでおくことは、将来の自分への投資であり、無駄を最小限にする最高の選択なんです。

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比較ポイント 16GB × 1枚(推奨) 8GB × 2枚(非推奨)
初期コスト 最も安い(1枚分) セット価格で割高
将来の32GB化 もう1枚足すだけ(簡単) 買い直しが必要(無駄が出る)
内部の質 フルスペックの設計(8バンク) 設計が一部簡略化(4バンク)
安定性 非常に安定 標準的(DDR5は2枚組が基本)

RyzenのAPU環境で帯域不足が招く性能低下

これまで「1枚でも大丈夫ですよ」という話をしてきましたが、一つだけ例外があります。それは、Ryzen 7 8700GやRyzen 5 8600Gといった、強力な内蔵グラフィックスを搭載したプロセッサ(APU)を使って、グラフィックボードなしでPCを組む場合です。この構成を考えている方は、絶対に16GBを1枚で済ませてはいけません。たとえ予算が厳しくても、メモリ価格が高騰していても、ここだけは妥協してはいけない一線です。なぜなら、APUにとってメモリ帯域は「命」そのものだからです。

APUというのは、本来グラフィックボードが持っている「VRAM(ビデオメモリ)」という超高速な専用メモリの役割を、メインメモリの一部を借りることで代用しています。つまり、メインメモリの帯域幅が、そのままグラフィック性能の限界値になってしまうんです。16GB 1枚のシングルチャネルでは、せっかくの高性能なRadeon 780Mなどの性能を半分も引き出せません。2枚組にするだけで、ゲームのフレームレートが1.5倍から、タイトルによっては2倍近く変わることもあります。APU環境でメモリを1枚にするのは、スポーツカーに細いタイヤを履かせて走るようなものです。APUで組む予定なら、どれだけメモリが高くても、最初から2枚組(合計16GB以上)を死守してください。もしどうしても予算が足りないなら、CPUのランクを一つ下げてでも、メモリの2枚組を優先した方が最終的なゲーム体験は格段に良くなります。ここを間違えると、せっかくの自作PCが台無しになってしまいますよ。

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まとめ:DDR5の16GBを1枚で構成する判断基準

さて、長々とお話ししてきましたが、結論として今のメモリ価格高騰や主要ブランドの撤退という異常な状況下では、DDR5の16GBを1枚で構成することは非常に合理的で「アリ」な選択肢です。特に、独立したグラフィックボードを搭載する一般的なゲーミングPCを作るのであれば、1枚運用による性能への悪影響は限定的ですし、将来的に32GBやさらにその上を目指すための「架け橋」として、これほど優れたスタート地点はありません。二重投資を避け、賢く予算を配分することが、納得のいく自作PCを作るための鍵になります。私自身も、今の相場なら迷わず1枚構成で始めて、差額を良い電源やケースに回しますね。

一方で、プロ向けの本格的な動画編集やクリエイティブ作業をすぐに始めたい人、あるいはグラボを載せないAPU構成を目指す人は、メモリ帯域や容量が直接の死活問題になるため、最初から2枚構成を強く推奨します。大切なのは、周りの意見に流されるのではなく、自分の用途と今の財布事情、そして将来のアップグレード計画を冷静に見極めることです。PCパーツの価格は生き物のように変わります。今の自分にとって最適な「落とし所」を見つけるのも、自作PCの醍醐味の一つですよね。なお、メモリの仕様や各ブランドの供給状況は日々変化しています。購入前には必ずメーカーの公式サイトや各パーツショップの最新情報を確認するようにしてくださいね。最終的な構成の判断は、ご自身の責任で、必要であればショップの店員さんなどの専門家にも相談しながら、後悔のない一台を完成させてください!

まとめ:今の高騰相場を賢く乗り切るなら、まずは16GB 1枚でスタートするのが吉!浮いた予算を他のパーツの強化に回して、後から「2枚目」を買い足す楽しみを残しておきましょう。これこそがコスパと拡張性を両立させる、今の時代の正解です!

メモリを1枚で運用している間は、PCの挙動に少し敏感になっておくと、パーツの異変にも気づきやすくなります。もし動作が不安定だなと感じたら、メモリだけでなく電源周りの寿命なども疑ってみるといいかもしれません。こちらの電源ユニット劣化の調べ方決定版!症状診断と寿命の見極め術についての記事も、長くPCを愛用するためのヒントになるはずです。

※この記事の内容は2025年12月時点の技術仕様や市場データに基づいています。正確なサポート状況や最新の製品情報は、必ず各メモリメーカーおよびマザーボードメーカーの公式ドキュメントを参照してください。

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