こんにちは。LeanPower Lab運営者の「Masa」です。
PCを使っていると、ふとした瞬間に「ブーン」という低い音や「ジー」という耳障りな音が気になり出したことはありませんか。せっかく集中しているのに、PCケースのビビリ音や異音のせいで気が散ってしまうのは本当にもったいないですよね。実はこれらの音は、ファンの振動やHDDの回転がケースと共振することで発生していることが多いんです。強化ガラスのパネルや防振対策が不十分な場合にも起こりやすいこの問題ですが、原因さえ分かれば意外と簡単に対処できます。この記事では、私が実際に試して効果があった対策を中心に、物理的な改善策からファン設定による制御まで幅広く紹介していきます。
- PCケースから発生する不快なビビリ音や共振の正体とそのメカニズム
- ブーンやジーといった音の種類から原因を特定する診断方法
- 制振シートや防振ゴムを活用した効果的な物理的静音化対策
- ファンの回転数制御やヒステリシス設定による根本的な解決策
PCケースのビビリ音が発生する原因

PCから異音が聞こえると「どこか故障したのかな?」と不安になりますよね。でも、焦らなくて大丈夫です。まずは敵を知ることから始めましょう。実は「音の聞こえ方」によって、ある程度原因を絞り込むことができるんです。ここでは、よくある音のパターンと、それがなぜ発生するのかというメカニズムについて、私の経験も交えて解説していきます。
PC異音のブーン音と共振現象
PCケース全体から低く唸るような「ブーン」という音が聞こえる場合、これは多くの場合「共振(レゾナンス)」と呼ばれる現象です。
物理の授業みたいで少し難しく聞こえるかもしれませんが、要するに「振動のリズムが合ってしまった状態」のことです。PCケースには、それぞれの素材や形によって「揺れやすい周波数(固有振動数)」があります。一方で、回転しているファンやHDDも振動しています。
このファンの振動リズムと、ケースが揺れやすいリズムが偶然一致してしまうと、小さな振動が何倍にも増幅されて、ケース全体がスピーカーのように鳴り出してしまうのです。特に、軽量なスチール製のケースや、パネルの厚みが薄いケースではこの現象が起きやすい傾向にあります。
簡単なチェック方法
異音が鳴っているときに、サイドパネルやトップパネルを手で強く押さえてみてください。もしこれで音が止まったり小さくなったりするなら、それは間違いなくパネルが共振している証拠です。
PC異音のジーという音と配線
次に多いのが、「ジー」とか「ジジジ」という虫が鳴くような音です。これは共振というよりは、「接触音」であることが多いですね。
自作PCやBTOパソコンの中には、無数のケーブルが走っています。これらがファンの振動などで微妙に震え、サイドパネルやケースのフレームに高速で当たっていると、このような音が発生します。特に「裏配線」スペースは盲点になりがちです。
無理やりケーブルを押し込んでパネルを閉めている場合、ケーブルがパネルの内側を叩いてしまっていることがよくあります。これは故障ではありませんが、精神衛生上あまり良くないですよね。
PC異音のカラカラ音とファン
「カラカラ」「カカカ」という乾いた音が聞こえる場合は、少し注意が必要です。これは物理的に何かがファンブレード(羽根)に当たっているか、ファン自体のベアリング(軸受)が寿命を迎えているサインである可能性が高いからです。
- 内部の配線が垂れ下がってファンに接触している
- ファンの軸がズレて(軸ブレ)、フレームに干渉している
- ベアリングのグリスが切れて摩耗している
配線が当たっているだけなら直せば済みますが、軸受の摩耗などの場合は掃除をしても直りません。そのまま使い続けるとファンが停止して冷却不足になるリスクもあるので、早めの交換を検討したほうが良いでしょう。
HDDが引き起こすケースの振動
最近はSSDが主流になりましたが、データ保存用にHDD(ハードディスク)を搭載している方もまだ多いと思います。実はこのHDD、PC内部でもっとも強力な「振動源」の一つなんです。
HDDの中では金属の円盤が毎分5400回転や7200回転という高速で回っています。この回転エネルギーは凄まじく、しっかり固定されていないとケースのフレームを激しく揺らします。特に、複数のHDDを積んでいる場合や、安価なケースでHDDトレイの防振対策が甘い場合、重低音のノイズ源になりがちです。
HDDかどうかの切り分け
一度PCの電源を切り、HDDのSATA電源ケーブルだけを抜いて起動してみてください。これで静かになるなら、犯人はHDDの振動で確定です。
ファンの回転数と共振の関係
「いつも鳴るわけじゃなくて、重い作業をしている時だけうるさい」とか、逆に「特定のタイミングだけ変な音がする」という経験はありませんか?
これは、ファンの回転数が変化することで、「魔の共振帯域」に突入している可能性があります。例えば、800回転では静か、1200回転でも静か、でも「1000回転の時だけケースが激しく共振する」といった具合です。
また、同じファンを複数個つけている時に、それぞれの回転数が微妙にズレている(例:1000rpmと1020rpm)と、「ウォン、ウォン」という唸り音(ビート)が発生することもあります。これも非常に耳障りな現象の一つですね。
PCケースのビビリ音を消す解決策
原因が見えてきたところで、ここからは具体的な対策編です!お金をかけずにできることから、少し本格的な静音化グッズを使う方法まで、効果が高かったものを中心に紹介しますね。物理的な振動を止めるアプローチと、ソフト側で制御するアプローチの二段構えで攻めましょう。
PCケース共振対策に制振シート

ケースのサイドパネルが薄くて「ブーン」と共振している場合、もっとも効果的なのは「パネルを重くすること」と「振動を吸収させること」です。
ここで活躍するのが、カーオーディオのデッドニング(防音)などで使われる「制振シート」です。ブチルゴムやアスファルト系の素材でできていて、これをサイドパネルの裏側(見えない側)に貼り付けます。
パネルに質量(重さ)を足すことで振動しにくくし、さらに素材の力で振動エネルギーを熱に変えて減衰させます。全面に貼らなくても、指で叩いてみて「カンカン」と響く中心部分にカットして貼るだけで、劇的に音が落ち着くことがありますよ。
ファン防振ゴムブッシュの活用

ケースファンを金属製のネジで直接ケースに固定していると、ファンの振動がダイレクトにケースに伝わってしまいます。これを防ぐには、「ゴムブッシュ」というアイテムが最強です。
これはネジの代わりに使うゴム製の留め具で、ファンとケースの間にゴムが挟まる形になります。これにより、振動がケースに伝わるのを物理的に遮断(絶縁)できるんです。Ainexなどのメーカーから数百円で販売されていますし、取り付けもピンを引っ張るだけなので簡単です。
ここがポイント
ゴムブッシュに変えるだけで、ケース全体が震えるような不快な低音が嘘のように消えることがあります。コストパフォーマンス最高の対策と言えるでしょう。
強化ガラスのビビリ音への対処

最近流行りの強化ガラスパネルのケースを使っている方も多いですよね。ガラス自体は重くて共振しにくいのですが、金属フレームとの接点で「カタカタ」と硬い音が鳴ることがあります。
この対策には、ホームセンターなどで売っている「隙間テープ」や薄いクッションテープが有効です。ガラスとフレームが接触する部分に薄く貼ることで、クッションの役割を果たし、接触音を消すことができます。
締め付けすぎに注意
ガラスパネルを固定するネジを力一杯締めていませんか?締めすぎるとガラスにテンションがかかり、微細な振動を助長することがあります。ゴムワッシャーを挟んで、適度な力で締めるのがコツです。
ケーブル整理とネジの増し締め

地味ですが、基本中の基本です。
- ケーブルの固定: 裏配線のケーブルが浮いてパネルに当たらないよう、結束バンドやベルクロでフレームにしっかり固定しましょう。接触しそうな部分にクッションテープを巻くのもアリです。
- ネジの増し締め: PCは熱くなったり冷めたりを繰り返すので、熱膨張で徐々にネジが緩んできます。半年に一回くらいは、ファンや電源ユニット、マザーボードの固定ネジをドライバーで増し締めしてあげてください。これだけでビビリ音が直ることも結構あります。
ファン制御とヒステリシス設定

最後に、物理的な対策ではなく「設定」によるスマートな解決策を紹介します。それが「ファンカーブの調整」と「ヒステリシス」の設定です。
BIOS画面や、「Fan Control」といったフリーソフトを使って、ファンの回転数を制御します。
まず、先ほど触れた「共振する回転数(例:1000rpm)」が分かっているなら、その回転数を使わないように設定します。例えば、900rpmの次は一気に1100rpmまで上がるようにカーブを描くのです。
そして重要なのが「ヒステリシス(履歴特性)」です。これは、温度が下がった時に「すぐにファンを弱めない」という設定です。
| 設定なしの場合 | ヒステリシスありの場合 |
|---|---|
| 温度が上下するたびにファンが加速・減速を繰り返し、「ウィーン、ウィーン」とうるさい(ハンチング現象)。 | 温度が下がってもすぐには回転を落とさず、一定時間キープする。回転変動が減り、耳障りな音の発生頻度が激減する。 |
このヒステリシスを設定するだけで、ファンの回転変動による不快感が驚くほど減ります。ぜひ試してみてください。
PCケースのビビリ音対策まとめ
PCケースのビビリ音や異音は、原因さえ特定できれば必ず対策できます。最後に、今回紹介したステップを振り返ってみましょう。
- まずは「ストップ&リッスン」で音源を特定する(ファンを止めてみる、HDDを抜いてみる)。
- 音の種類(ブーン、ジー、カラカラ)から、共振なのか接触音なのかを判断する。
- 防振ゴムや制振シートで物理的に振動を抑え込む。
- 仕上げにソフト側でヒステリシス設定を行い、ファンの挙動を安定させる。
静音化されたPCは、作業への集中力を高めてくれる最高のパートナーになります。少しの手間で劇的に快適になりますので、ぜひ週末にでも対策してみてくださいね!
※この記事で紹介した対策は、あくまで一般的な事例に基づいています。PCパーツの分解や改造に近い行為はメーカー保証の対象外となる場合がありますので、実施の際は自己責任にてお願いいたします。
